私たちエクスペディション アマナでは、ポリネシア人がハワイ諸島に到達する以前にアメリカ先住民が草を束ねて作った最古の船アシ船(草束舟)でカルフォルニアから渡っていた可能性があると仮説を立てて新たな古代海洋ルートの可能性を検証するプロジェクトです。
これは古代の航海術、海路移動パターンの謎を解き明かすだけでなく、アシ船で運ばれる生態系移動による環境変化を環境学、生物学的な新たな理解も目指します。
さらに、最新のテクノロジーによるライブ配信を活用して古代の航海を世界と共有し、教育、科学、文化への深い理解を促進します。
このプロジェクトは、自然との調和に根ざした古代の知恵を象徴し、持続可能な自然環境との関わり方を世界に伝えるものです。
-Project leader
Jin Ishikawa
-Video Production
Julian Goodman / Niki Wallin / Kai Smith / Mason Le
プロジェクト概要
お知らせ
・2023年3月
太平洋航海 葦船プロジェクトEXPEDITION AMANAをご支援いただいてるみなさまへ
パンデミックで慌てて帰国してからもうすぐ3年が経ちます。
延期したままプロジェクトが進まずみなさまにもご心配とご迷惑をお掛けしました。
今日は現在までの進捗状況と今後の予定を報告させていただきます。
1.アメリカでの再開状況
2023年4月にサンフランシスコ入りし、プロジェクトを再開する予定で準備を進めています。
現地では9mのプロトタイプ船を建造し、操縦性などを検証するテスト航海を行います。
葦船の材料となる葦については、 2019年に刈り取っ た葦の束を保管・管理してくれているジョーさんから嬉しい報告をもらっています。
3年近い保管で心配していたのですが、幸い葦はカビも匂いもなく葦船の材料として問題ないとのこと。再開までの期間が延びることで葦が使えなくなるかもしれないと一時は廃棄、再刈り取りも覚悟していたのでこの報告にはホッとしています。
船体を建造する場所、マストや舵を作る木工所の使用、進水式、葦船の係留場所などの許可申請については、決まっていたこともありましたがコロナ禍を経て状況変化が多く現在進行形で再度取り組んでいるところです。
2. 日本での準備の経過
この3年間、改めて本プロジェクト「葦船でカリフォルニアからハワイを目指す」ということについて、人類学上の学説や発掘状況のリサーチをするのと同時に、現地に伝わる伝統や伝承、かつての海況など、様々な角度から自分なりの調査を深める時間を過ごしていました。
その経過の中で、僕の中に一つの大事なイメージと確信が生まれ、EXPEDITION AMANAの航海を通してこれを更に探求できないかと考えるに至りました。
結果、EXPEDITION AMANAでの葦船による航海の想定年代を、北米大陸で最も古い布が見つかった7,000〜8,000年前とし、テスト航海用の葦船のデザインについても見直しを行いました。
現代よりもはるかに自然と共にあったであろう祖先の遠い記憶を辿り、
それを支えた感覚についても重要なテーマとし思いを巡らせていきたいと考えています。
ここに至った経緯やビジョンは今後シェアしていきます。
また、現在は延期による変更、インフレなどによる資金不足を補うため、
プロジェクトに協賛いただける企業を募る活動もしています。
葦船で太平洋を渡るその日に向け全力で進みつつ、
心と体のバランスを整えてゆきます。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
EXPEDITION AMANA(エクスペディション アマナ)
石川 仁(Jin Ishikawa)
・2020年3月
みなさま
コロナウイルスの影響で、
私たちのプロジェクトEXPEDITION AMANA(エクスペディション アマナ)もその煽りを受けて、残念ながら春から予定していたテスト航海のスケジュールを見直ししなければならない状況となってしまいました。
今回の僕自身の帰国の理由はコロナ・ウイルス対策として葦船製作地のサンフランシスコ・ベイエリア(現在はカリフォルニア州全土)が閉鎖となり外出禁止令が出たためです。
活動ができない上、ビザの期限を考えて一時的に帰国して次のタイミングに備えようと決めました。
・現在までの進捗状況
船体の材料となるアシの束500束の刈り取り、乾燥、保管が終了。
葦船製作地の交渉済。(現在は申請書類を弁護士と作成中)
3枚の麻100%のセイルのオーダー済。
マスト、舵の製作準備。
製作ボランティアの募集。
もろもろの材料の準備となります。
本来なら3月末からの製作、4月からのテスト航海の予定でしたが、一旦作業を延期しサンフランシスコ・ベイエリアでイベント開催が可能なタイミングで製作から再開することにします。
応援してくださってる皆さんにはご心配おかけしますが、必ず成し遂げる強い意志を持っていますので再開の時期を共に待っていただければとても嬉しいです。
今後はまず4月末を区切りとし、5月以降に葦船製作が再開できるかどうかを判断します。
僕自身の今後の取り組みとしては、まずはアメリカからの帰国のため、当面の間自主的に自宅待機します。いつでも再開できるように、日本からできる準備、葦船の設計の見直しなどよりよい船ができるとために時間を使っていきます。
葦船の航海では、嵐や向かい風が吹くと思い切って帆を下ろします。
そして普段できない修理や片付けをし、英気を養い、次の風を待ちます。
いつか、追い風に変わった時に帆を上げて「進む」ための備えです。
「待てば海路の日和あり」
葦船のあった時代の緩やかな時間や人生の大切さも改めて学んでいきたいと思っています。
※現在2023年から再スタートを目指して準備中です。
◎2023年サンフランシスコ湾にてテスト船の製作、実験航海
太平洋航海航海船の半分のサイズを全長9mのテスト用の葦船を製作。
サンフランシスコ湾内でテスト航海をしてマストの位置、セイルの大きさ、舵の形など帆走能力のテスト、デザインのブラッシュアップを行う予定です。
◎2025年以降
ハワイ諸島を目指しサンフランシスコ湾を出航
テスト航行のデータをもとに18mの葦船を製作し、2025年以降カルフォルニア・サンフランシスコ湾を出航。太古と同じく風と海流に乗って4,000km離れたハワイ諸島を目指しまします。
2019年12月25日おかげさまで成立しました
葦船とは
数千年前から使われていた最古の船の一つ
世界中で海を渡り、移動や運搬、食材採取の手段として海岸線、湖、河川で使われ、丸太イカダ同様に最古の船の一つとされています。
材料は各地で異なり葦、パピルス、トトラ、竹、ガマなど水辺の草をツタや縄で束ねた船です。
古くは、メソポタミア文明、エジプト文明や南米・ティワナコ文明に登場し、ヨーロッパ、アメリカ大陸西海岸、ワンチャコ海岸(ペルー)、アマゾン川、ラプラタ川、ナイル河、チチカカ湖、タナ湖、ヴィクトリア湖、ポリネシア等で葦船の文化が伝わっています。
日本では、イザナギノミコトとイザナミノミコトとの間に生まれた最初の神様である蛭子命が、葦舟に乗せられて海に流されたと「古事記」に記されています。
秋田市の日吉八幡神社や鹿島神社などでは葦船が神輿となっており、神事としての葦船の姿が日本各地に今もあります。
代表プロフィール
石川仁(いしかわ じん)1967年生まれ
探検家 葦船(葦舟/あしぶね) 職人 葦船航海士 アマナの号船長
20歳より世界を旅する。
1990~ラクダと共にサハラ砂漠単独2,700km、アラスカでイヌピエット族と捕鯨用獣皮舟作り、南米ジャングルを丸木舟で川下り800km、アンデス・チチカカ湖を葦船で一周など、現代社会では体験することの難しい自然との関わり方を極地に住む先住民から学ぶ。
1997~2002スペイン人探検家キティン・ムニョス主宰の国連公式の葦船プロジェクトにクルーとして参加。大型の葦船マタランギ号で太平洋、大西洋をのべ13,000km航海する。
2005~帰国後自らのプロジェクトを立ち上げ高知県から伊豆諸島まで葦船で日本初の外洋航海。2003〜各地で葦船作りのワークショップを主宰。大小合わせて320艘の葦船を製作。
一般社団法人 EXPEDITION AMANA 代表理事
石川 仁 ホームページ⇨ http://jinishikawa.com
ご協力お願いします!
寄付・ボランティア募集
EXPEDITION AMANA(エクスペディション アマナ)では応援してくださる方のご寄付、プロジェクトのお手伝いをしてくださるボランティアスタッフ「葦船クルー」を募集しています。
英語、スペイン語翻訳、葦船についての資料製作、リサーチなどお手伝いくださる方はご連絡ください。一緒に葦船の太平洋航海を作りましょう。
*詳細はお問い合わせください。
【 翻訳 】
ー知恵をつなぐー
「EXPEDITION AMANA(エクスペディション アマナ)」は数万年前の古代から伝わる葦船の知恵を学ぶことを目的としています。
葦船は一本一本の葦が束になってロープで結んである船です。ですから一人の思いが重なりあいこのプロジェクトが生まれると信じています。
僕も同じ葦(あし)の最初の1本です。
是非みんなでこのプロジェクトを作っていきましょう。
このプロジェクトに賛同していただける皆様。
一緒に太古の智慧を未来へ繋げるようにご協力いただければこんなにうれしいことはありません。
ぜひ、ご支援、ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
EXPEDITION AMANA
プロジェクト・リーダー
Captain Jin Ishikawa
キャプテン